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まちかど文化財3 御木沢の「国府斎翁碑」|Web資料館|三春町歴史民俗資料館

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まちかど文化財 3

御木沢の「国府斎翁碑」

国府斎翁碑
 国府斎翁碑

江戸時代、三春藩の代表的産業に、養蚕と葉たばこの生産がありました。
現在では、たばこの栽培は行われているものの、養蚕を行う農家はほとんどなくなってしまいましたが、戦後まもなくまでは、この二つが三春に住む多くの人々の生活を支えていたのです。

三春藩領で生産されたたばこは、当初は古殿町松川原産の葉たばこだったため、「松川葉」あるいは「竹貫葉」と呼ばれる銘柄でした。
しかし、江戸時代の終わり頃、七草木村の橋本惣五郎が水戸国府種を改良普及させ、「三春国府」と呼ばれるほど名声をもたらしたのです。

三春において、たばこの生産は重要な収入源であり、多くの農家がこれに従事していました。
そして、新種の改良・普及に功績のある橋本惣五郎は、地元七草木ではおおいに尊敬され、それを顕彰するため、明治22(1889)年3月、石碑が建てられたのです。

この石碑は、地区交流館御木沢分館入り口左脇にあるもので、題は「国府斎翁碑」と彫られています。
内容は、三春におけるたばこ生産の育成、それに対する橋本惣五郎の功績が述べられています。
また、惣五郎が改良したたばこにちなんで、彼が「国府斎翁」と呼ばれたこともうかがい知ることができます。

また、石碑の両脇・裏面には、これを建立するために寄付金を出した人々の名前が彫られ、七草木村だけではない、多くの人々の名前が彫られています。

江戸時代から明治時代にかけて、三春の産業振興に努めた橋本惣五郎の業績は、当時はもちろん、現在でも高く評価されるものですが、その石碑は訪れる人も少ないまま残されているのです。

(2004年6月 藤井 康)

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