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まちかど文化財8 熊耳の「大井戸」|Web資料館|三春町歴史民俗資料館

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まちかど文化財 8

熊耳の「大井戸」

大井戸
 大井戸

大字熊耳字舘と古殿の境目、十一面観音を祀るお堂と菅原神社のちょうど中間辺りに、地元の方が「熊耳の大井戸」と呼んでいる井戸があります。

大井戸の大きさは、幅がおよそ7メートルくらいあり、深さも1メートル以上あるようで、井戸としてはたいへん大きなものです。

大井戸の周囲には、スギやヒノキ・ケヤキの大木があり、この井戸が古くから存在していたことをうかがわせます。
また、この井戸は、昔は雄井戸といい、その北側に女井戸という泉もあったそうです。

この大井戸に関する資料は何も残されていませんが、井戸の近くに「熊耳館」という中世の館跡があることから、この井戸も、今から400年以上前から使用されていたのではないかと思われます。

熊耳の大井戸には、いくつかの伝説がありますが、いずれも、この井戸の水を汚した場合、あるいは周囲の大木の枝を切った場合に、何らかの怪現象が起こったことを伝えています。
このような伝説が伝わる理由は、観音堂と神社に挟まれ、豊かな水をたたえた井戸が、地域の人々へ水を提供するだけではなく、信仰の対象にもなっていたからでしょう。

熊耳の大井戸については、三春町公民館が発行した『おらが里のざっと昔 その二』に詳しく紹介されています。
現地を訪れるとともに、その伝説などもご一読ください。

(2004年11月 藤井 康)

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