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まちかど文化財12 三春馬車鉄道の碑|Web資料館|三春町歴史民俗資料館

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まちかど文化財 12

三春馬車鉄道の碑

「三春馬車鉄道」は、明治24(1891)年、福島県内ではじめて開設された馬車鉄道です。
この年には東北本線も全線が開通し、県内はもとより、東北地方の交通網にとって重要な年となりましたが、三春にとっても画期的な年だったのです。

三春馬車鉄道の碑  三春馬車鉄道の碑

三春馬車鉄道の開設は、三春に集中する田村郡の産物を東北本線郡山駅へ輸送することを目的としたもので、敷設の中心は三春町の商人たちでした。
そのため、三春での出発点は、問屋が多い中町に置かれ、ここから郡山駅前までの約13kmの距離が開通したのです。
ちなみに、三春から郡山までは1時間20分(郡山から三春は1時間40分)程度かかったようです。

ところで、馬車鉄道は、その名のとおりレールを敷設したため、開設費用は相当なものがありました。
しかし、その開設は、沿線住民にとっては重要なものであり、経済効果の面から考えても、十分採算が合うと判断されたのです。

さて、馬車鉄道の開通により、三春・郡山間の物資輸送や人の移動は格段に容易になりました。
しかし、鉄道が沿道沿いを走ったため、頻繁に事故が起こるなど、問題も発生したようです。
また、当時の新聞に掲載された紀行文には、馬の匂いや、客車の中に「人の油が干乾いたような変な悪臭」のあることが指摘され、快適なものではなかった様子がうかがえます。

三春馬車鉄道は、大正3(1914)年に開通した磐越東線の影響を受け、運賃値下げなどで対抗しましたが、結局、翌年廃業することになったのです。

なお写真の石碑は、馬車鉄道の駅があった中町のスーパーの前にありましたが、スーパーの移転により、現在、当館で保管しています。
今後、跡地の整備を進める中で、再設置していく予定です。
※2021年現在、中町の公共駐車場内に設置されています。

(2005年3月 藤井 康)

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