戊辰戦争と二つの話|Web資料館|三春町歴史民俗資料館
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戊辰戦争と二つの話
三春藩は、慶応4年(1868年、この年明治に改元)の戊辰戦争で、新政府軍とまともに戦わず、三春総攻撃直前に降伏しました。
ところで、戊辰戦争時の出来事を記した「慶応三春大平記」(個人蔵)に、次の二つの話が載せられています。
一つは、慶応3年、風も無いのに三春大神宮の古い松の木が倒れたという話しです。
いま一つは、慶応4年3月、北町の亀井にある氷屋(氷を作り、溜めておく場所)に、一日に3回も火事が起こり、三日の内に7回も火事になったという話しです。
この火事については、氷屋に住んでいた人が鉄砲で狐を撃ち殺し、その肉を武士に食べさせたため、狐が恨んで火事を起こしたのだと噂されたようです。
二つの話は、当時の三春の人々が、いかに不安を抱えて暮らしていたかを窺わせるものです。
また、「慶応三春大平記」の筆者は、この二つの話を、三春降伏を記した所にあわせて書いたのですが、これは三春藩の降伏を暗示するものとして、二つの話が記憶されたからなのでしょう。