本陣ダルマの名前の由来|Web資料館|三春町歴史民俗資料館
印刷掲載している情報は記事執筆時点のものです。現状と異なる場合がありますのでご了承ください。
Web資料館について、詳しくはこちらをご覧ください。
Web資料館
本陣ダルマの名前の由来
古代ダルマとともに、三春のダルマの代表格である本陣ダルマ。
『三春町史』には、以下のように紹介されています。
「やや小ぶりな南瓜(かぼちゃ)のような本陣だるま」(三春町史6巻)
三春には南瓜ダルマと呼ばれるダルマもあり、南瓜ダルマをやや小ぶりにしたもの、または南瓜ダルマの一形態が本陣ダルマといったイメージが強いのではないかと思います。
私もそのように思っていました。
一方で、「なぜ、本陣ダルマと言うのだろうか?」という疑問も残りました。
そこで、デコ屋敷の恵比須屋さんにお話をうかがったところ、本陣ダルマについていろいろと知ることができましたので、名前のルーツも含めてご紹介します。
本陣ダルマの名前のルーツは、江戸時代、「本陣」を勤めた家に納めた特注のダルマだったことに由来する。「本陣」とは、参勤交代などで、三春を通るお殿様の宿泊施設を勤めた家のことを言う。特注であるため、本陣ダルマの木型は1種類であり、大きさも1つ。南瓜ダルマと形は似ているが、そのルーツは別ものと考えたほうが良いだろう。
恵比須屋さんのお話から、本陣ダルマと呼ばれる理由について合点がいきます。
また、本陣ダルマは「本陣」を勤めた家からの特注品であり、南瓜ダルマの一形態というイメージも改めたほうが良さそうです。
三春には多彩なダルマが存在し、多くの人々に親しまれています。
しかし、個々のダルマを注意して観察すると、意外にわからないことが多いように思います。
今回、本陣ダルマが発するメッセージと向き合うことで、本陣ダルマの歴史の一端を知ることができました。
自宅にたたずむダルマ。
時にそのダルマと会話してみてはいかがでしょうか。