旧三春藩江戸藩邸の手水鉢?|Web資料館|三春町歴史民俗資料館
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旧三春藩江戸藩邸の手水鉢?
三春藩主秋田家の江戸での墓所について書きましたが、その調査の際、新たな資料を発見しましたので、あわせてお知らせしたいと思います。
手水鉢
写真は、東京都港区新橋五丁目にあった、三剣稲荷境内の手水鉢です。
この一帯は、江戸時代、三春藩の上屋敷があった場所です。
現在はビルの谷間にうもれ、往時をしのばせるものは何もありませんが、江戸時代の三春藩上屋敷の絵図(東北大学附属図書館蔵)のほぼ同じ位置に神社の絵が書かれていること、奉納されたのが安政2(1855)年であること、手水鉢の裏に「惣御家中」(全部の家臣のこと)「奥惣女中」と彫られていることから、この稲荷が江戸時代から同地にあるもので、手水鉢も三春藩士が屋敷内の稲荷に奉納した可能性が高いと判断したのです。
ところで、この稲荷は平成14年7月に神様を返納し、境内地を売却するということで、町内会では、境内に残る品の引き取り手をさがされていました。
そこで、三春藩士が奉納した可能性のあるこの手水鉢を、当館にご寄贈いただけないかお願いしたところ、こころよくご了承いただき、受領しました。
旧三春藩江戸上屋敷にあった可能性のある手水鉢がひょうんなことから三春の地に移ったのも、何らかの縁かもしれません。
この手水鉢は、歴史民俗資料館敷地内「歴民への近道」にありますので、資料館にお寄りの際にはぜひご覧ください。