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三春の歴史こぼれ話8 松茸の産地|Web資料館|三春町歴史民俗資料館

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松茸の産地

三春産の松茸について書かれた資料を紹介したいと思います。
これまでにも何度かご紹介した「三春領名所旧跡集 松庭雑談」に、次の記事が載せられています。

  沼倉松茸
沼倉御林の松たけ、多生す。盛の頃ハ、近村迄匂ふとなり。尼ケ谷御林ニも生す。沼倉より是ハ少し。風味能、匂ひ深く、京御室山の松茸に類すと云。

内容は簡単です。沼倉の林に松茸がたくさん生える、盛りの頃は、周りの村まで匂いがする、尼ケ谷の林にも生える、しかし沼倉よりは少ない、これらの松茸は、風味もよく、匂いも深く、京都御室山の松茸に近いといわれている、といったものです。

今でも高価な食材として有名な松茸ですが、この書き方からすると、江戸時代の人にとっても貴重な食材だったようです。
もちろん、江戸時代将軍への献上品に松茸を送った大名もいるようですから、今も昔も変わらず、庶民には手の届きにくいものだったのかもしれません。
実際、沼倉も尼ケ谷も、「御林」に生えたようですから、いずれも庶民の山ではなかったのでしょう。

大量に採れた松茸、近隣の村にまで匂いが広まった松茸は、いったい誰のお腹に入ったのでしょうか。

(2001年10月 藤井 康)

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