三春の文化財1 旧吉田家住宅主屋・紫雲閣|歴民コラム|三春町歴史民俗資料館
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三春町歴史民俗資料館より、三春町の歴史や文化、ゆかりのある人物伝、資料館に収蔵されている資料などについて、コラムをお届けします。
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歴民コラム
三春の文化財1
先日、まほらのホワイエで三春の文化財を写真パネルで紹介する展示と、小ホールで文化財の現状や保存について話し合うパネルディスカッションを開催し、たくさんの方々が来館されました。
観覧された方からは、「こんなにたくさん文化財があるのか」「見たことがないものがある」といった意見が多く聞かれました。
そこで、このコラムでは、三春の文化財を紹介していくことにしました。
三春町には、国指定文化財が、三春滝ザクラと中山家住宅の2件、県指定が、光岩寺の本尊・阿弥陀如来立像と福聚寺に伝わる田村氏掟書の2件があります。
そして、町指定は、有形文化財が66件、民俗文化財が20件、史跡が8件、天然記念物が6件で、合計100件あります。
先日、文化伝承館が、旧吉田家住宅主屋、紫雲閣として国の登録有形文化財に登録されることになりました。
登録文化財とは、主に近代以降の重要な建造物を、指定よりも緩やかな規制の元で、幅広く保護していくために設けられた制度で、現在、全国で約1万2千件、県内では221件の建物が登録されています。
今回、登録される旧吉田家住宅は、生糸商人の吉田誠次郎が明治28年頃に建設した主屋と離れの蔵座敷で、ともに貴重な銘木・珍木が多用されています。
特に離れの紫雲閣は、土蔵に洋風のベランダを廻し、室内に中国風の装飾を施した奇抜で稀有な建物として、今回登録された全国133件の中から、6件の代表的な建物に選ばれました。
(2020年4月)