三春の文化財4 田村大元神社金剛力士像|歴民コラム|三春町歴史民俗資料館
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歴民コラム
三春の文化財4 田村大元神社金剛力士像
田村大元神社の金剛力士像は、町の文化財の第一号として昭和37(1962)年に指定されました。
この像は慶応3(1867)年の田村大元神社表門再建に際し、三春藩領の石森村(現在の田村市船引町)出身の伊東光運とその孫、久賀之助によって制作されました。
光運は、他にも三春大神宮の木彫白馬像や、中町にある愛宕神社社殿の唐獅子などを手掛けた仏師で、町内に多くの作品が残されています。
田村大元神社の両像は、光運の作品の中でもひときわ大きく、1体の高さは約330cmあり、見る者を圧倒する力強さがあります。
技法は、部材を寄せ合わせて作る「寄木造り」で作られているので、重厚感がありながらも躍動的で軽やかな様子が見てとれるかと思います。
また、目には水晶をはめ込む「玉眼」が施されており、目に光が入ると輝きがでるようになっています。
破損が著しかったことから、平成11(1999)年に修復が施され、現在の姿に甦りました。
修復が完成した際には、貝山の仮設の修理場から大元神社までの道のりを凱旋パレードしてお披露目し、多くの町民がその完成を祝いました。
(2020年7月)