三春の文化財8 徳田研山と三春大神宮の白馬像|歴民コラム|三春町歴史民俗資料館
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三春の文化財8 徳田研山と三春大神宮の白馬像
徳田研山は、江戸時代の終わりごろから明治時代にかけて、馬の絵をよく描いた絵師です。
徳田研山というと1人の人物を思い浮かべるかもしれませんが、「研山」は号で、代々に渡って使用されていました。
初代は好時が、次にその子である好展が「研山」を名乗っていたことがわかっています。
好時は、もともとは三春藩の駒奉行を務め、文政3(1820)年に大坪流馬術の免許皆伝を受け、馬術の先生として活躍しました。
その傍らで、絵を学び、勇ましく戦う武者や力強い馬の絵を得意としていました。
2代目の好展もまた、藩の駒奉行を務めました。
三春大神宮に奉納されている白馬像は、当時の三春産の馬をあらわしたもので、好展が監修し、田村大元神社の仁王像なども手掛けた伊東光雲が制作しました。
像は、現代のサラブレットに比べると小ぶりですが、かつての在来馬の姿を見ることができる貴重な文化財です。
駒奉行を務め、普段から身近で馬に接していた好展だからこそ、写実的な神馬を制作することができたのでしょう。
(2020年11月)
三春大神宮の白馬像