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長月|歴民コラム 三春歳時記6|三春町歴史民俗資料館

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歴民コラムについて

 三春町歴史民俗資料館より、三春町の歴史や文化、ゆかりのある人物伝、資料館に収蔵されている資料などについて、コラムをお届けします。
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歴民コラム 三春歳時記 6

長月

9 月は、旧暦だと段々昼が短くなって、秋の夜長を迎える頃となるため、「夜長月」を略し長月となったといわれています。

二十四節気では、7 日が白露、22 日が秋分です。
次第に秋めいて、草木がしらつゆを宿し、秋の彼岸の中日にあたる秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
そして、子育てが一段落したツバメが南へ旅立ち、セミの声が秋の虫に替わり、ススキの穂が出て、ヒガンバナ(曼珠沙華)も開花す
る時期です。

現在では、ほぼ廃れていますが、9月9日は五節句のひとつ重陽の節句です。
重陽とは、最も大きな陽数(奇数)である9が重なるめでたい日なので、古代の中国では菊の花を飾って酒を酌み交わしたといいます。
日本でも菊の節句と呼ばれ、菊の花を酒にひたして飲んで祝いました。
また、九州地方で現在も盛んな祭礼「くんち」は、元々「9日」のことで、重陽の節句の祭りでした。

三春の武士たちも、登城して屋敷へ帰ると寺を詣で、その後、それぞれの家に親戚たちを迎えて節句を祝いました。
旧暦 8 月 15 日は仲秋の名月で、今年は 9 月 17 日になります。
三春藩士の家では、団子を 12 個(閏月のある年は13 個)こしらえ、芋や柿、栗、梨、大根、小豆などと供えました。
このお供えは、男の人だけでこしらえ、女の人は参加できなかった家もあったようです。
また、9 月の9日・19 日・29 日を三九日といい、この日に茄子を食べると病気にならないといいました。
そして、10 月になると神様が出雲に出かけるため、9 月末日に赤飯と御神酒を神棚に供えて、各家で神様を送り出しました。

(2024年8月)

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