三春そうめん|Web資料館|三春町歴史民俗資料館
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三春そうめん
今回は、"三春そうめん"に関する新出史料をご紹介します。
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、三春で作られるそうめんは細くて色白でよい、と書かれ、その存在が知られていたようです。
しかし、いまや"伝説の三春そうめん"と称されるようになり、その作り方や歴史は、まったくわからなくなってしまったのです。
ところで、この欄で何度かご紹介した「三春領名所旧跡集 松庭雑談」の中に、以下の一文を発見しました。
玉木索麺
玉木索麺ハ、城下にて玉木屋といへる店のよく製す索麺。一筋の中に、細く穴を通す。皆如斯風味も至て佳也。夏献上あり。
つまり、"三春そうめん"とは、城下の玉木屋という店がつくり、そうめんの中に細い穴のあるものだったのです。
夏に、三春のお殿様が将軍へ献上(贈り物)したという点からみても、この記事は正確なものと思われます。
この一文だけでは"伝説の三春そうめん"を昔のとおり復活することは無理かもしれましんが、細い穴を別にすれば、私たちが現在食べている"三春そうめん"も、昔の姿にかなり近いのかもしれません。