本文までスキップする

現在地

小中学生のホールボディカウンター検査結果を公表します

印刷

小中学生のホールボディカウンター検査結果の公表

三春町におけるWBC検査について

 三春町は、ホールボディカウンター(以下WBC)検査を公益財団法人震災復興支援放射能対策研究所に委託し、実施してまいりました。 

 町では、小学校児童、中学校生徒全員の検査を行うことを目標とし、2011年11月~2012年2月にかけて1回目、2012年9月~11月にかけ2回目の検査を行っております。 

 このように、1年近い時間を空けて、ほぼすべて同一の児童生徒(*1)が2回のWBC検査を受けた、という状況は、この震災後における取り組みとしては非常にまれで重要なことです。その結果についてご報告いたします。
(*1)2回目は2012年3月の中学校卒業生、2012年4月の一部小学校入学生を除く。

1回目、2回目の結果とその比較

 対象となった受検者数と年齢層(図1)

 2回目のWBC検査を合わせた、年齢層ごとの総人数を示します。内訳として、1回目は1,494名(小中学生全体数の94.3%)、2回目は1,383名(同95.0%)、総数として2,877名がWBCを受検しております。

 1回目検査の結果(図2)

 1回目の検査において、検出限界未満の児童生徒は全体の1,405名(94.0%)でした。
90名(6.0%)に、検出限界を超える放射性セシウムの検出がありましたが、そのほとんどは体重1kgあたり20ベクレルを下回っております。 

 ただし、震災復興支援放射能対策研究所のWBC検査では、2012年2月末まで着替えが完全に行われていなかったため、実際に体内にある放射性セシウムを検出していたのか、着衣の汚染をみていたのか、を現時点で確認することは困難です。

 2回目検査の結果(図3)

 2回目では、すべての受検者が検出限界未満となっています。

 1回目、2回目検査の比較(図4)

 1回目、2回目を並べて比較しています。2回目に有意検出者がいないことをご確認ください。

結果データ

 図1 [PDFファイル/29KB] 図2 [PDFファイル/171KB] 図3 [PDFファイル/170KB]

 図4 [PDFファイル/168KB]

再検査について

 1回目で有意な数字が検出され、再検査を受けた児童生徒の結果(図5)

 1回目から2回目の間に再検査を受けた22名の結果です。2回目の検査を受ける時期がそれぞれ異なっていますが、すべての児童生徒が2回目の検査で、検出限界未満となっています。 

 よく見ますと、比較的早いタイミングで再検査を受けた数名の場合、最初の検出値から考えると、急激に値が低下 しております。 

 この値の低下は、10歳前後の小児における体内セシウム量の生物学的半減期(*2)よりもずっと速くみられます。その最大の要因としてとして考えられるのが、1回目で着衣の汚染を測定していた可能性です。

 逆に、子どもたちといえども、毎日放射性セシウムをそれなりの量で摂取していれば、グラフは横ばい~右上がりになりますので、全員追加摂取がない状況と言えます。

結果データ

図5 [PDFファイル/63KB]

(*2)生物学的半減期とは:放射性セシウムは、セシウム134の場合約2年、セシウム137の場合約30年で物理学的半減を迎えます。
    しかし、これらが人体内に入った場合、主に尿を経路に排泄されるため、物理学的半減期よりもずっと早い速度で体内から追い出されていきます。これまでの知見から、1歳児で約2~3週、10歳前後で約50日、成人で約70~100日程度と、子どもから大人になるに従って、生物学的半減期が長くなっていくことが示されています。

問診・アンケート結果との対比

 食べ物の産地選び、購入の仕方について(図6)

 WBC検査時(2回目)の問診の内容です。地元産の米を選ぶ児童生徒の家族が6割弱、同じく野菜で2割強となっております。 

 その他の食品群については、地元産のものはごく少なく(生産流通の元々の形と考えます)、さらにスーパーで食品を購入する際に、産地を選ぶかどうかも、ほぼ半々です。

 ご自宅の水道、飲み水や調理水の種類について(図7)

 同様に、飲み水、調理水についての傾向です。自宅飲料水がミネラルウォーターの方が2割弱とやや増えますが、調理水に関しては、ほぼご自宅の水道の種類に一致した割合となっています。 

 図6、7の全体の傾向として、食品の産地の選び方や、飲料水のみでミネラルウォーターへの変更があったとしても割合としては多くなく、図1~5に示したWBC検査結果に大きな影響を与えているとは考えにくい状況と考えます。

結果データ

図6 [PDFファイル/213KB] 図7 [PDFファイル/208KB]

結果と考察

1) 1回目から2回目のWBC検査の間に、三春の子どもたちが放射性セシウムをほとんど摂取していないことがわかりま した。

     2回目で数値が検出されたごくわずかの児童生徒も、再検査で検出限界以下になったことが確認されています。2回目の検査で全員が検出限界以下となり、この2回目の検査の間に、子どもたち全員が、放射性セシウムを体の中にほとんど取り込んでいないことが確認できました。

2) 2回にわたるWBC検査の結果から、この間に児童生徒の家族が選択してきた食品や飲み水には、放射性セシウムがほとんど含まれていないことがわかりました。

1)で述べたように、子どもたちの結果から、食品の調達先や、飲み水の選択によって、少なくともWBCの結果では差が出るような状況ではないことがわかります。この理由は3)で述べます。 

 このことは、三春町に住み、児童生徒の家族が今、選択して飲食しているものに、放射性セシウムがほとんど含まれていないことを意味しています。また、極めて大事なことは、同じ子どもたちを2回測ることで、よりその実状がはっきりした、ということです。受検者とその家族の協力があったゆえの結論といえます。
 
  食品検査は、多くの出荷物、生産品について行われ、自家産品、調達品なども近隣で検査が可能な状況になっていると思います。こういった情報は非常に役に立ちます。また、コープふくしま、福島県、厚生労働省などが公表している陰膳調査、マーケットバスケット調査などの結果(*3)も、福島県を含む地域で、放射性セシウムの日常的な摂取量が、極めて少ないことを示しつつあります。この状況は、WBC検査だけではなく、農業生産の現場、流通、検査態勢、食品の選択など、すべての努力の賜物と言えます。

(*3)コープふくしまによる陰膳調査(2012年下期):
http://www.fukushima.coop/kagezen/2012_02.html
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果(第2期)【訂正版】:
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0220.pdf
厚生労働省によるマーケットバスケット調査:
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002wyf2.html

3)  何に気配りすべきか、かなりはっきりしてきています。
    三春町の子どもたちの中にはおりませんでしたが、公表されているいくつかの結果(*4)からは、いくつかの条件が揃うと、体内の放射性セシウム量が多くなってしまう食生活や、食品の傾向が明らかになってきています。

(体内放射性セシウムを増やす4つの条件)
1.耕作の手の掛かっていない野生のものの摂取や、狩猟・釣りなどで得たもの
2.出荷制限がかかっているとわかっているもの
3.1、2を食べる方が、その食品の放射能量を測らない
4.1~3の条件が揃った食品を「ほぼ日常的に」継続して食べている

 逆に、この条件にまったく合致しない食生活の場合、体内の放射性セシウムは大きく増えません。流通品の購入はもちろん、丁寧に作られた自家米、自家作物、さらには自家菜園等を含めても、多くの食品検査で近隣地の値が確認されている食材については、問題がないと言えます。それが、三春町の子どもたちのWBC検査の結果に示されています。

(*4)南相馬市立南相馬総合病院におけるWBC検査結果(第3回):
http://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/10,2062,61,html

公益財団法人震災復興支援放射能対策研究所におけるWBC検査結果(第2回):
http://www.fukkousien-zaidan.net/reserch/index.html

まとめ

 三春町の子どもたちにおいては、放射性セシウムによる慢性的な被ばくは極めて低いレベルであるということが、2回にわたるWBC検査でしっかりと確認出来ました。
 
  WBC検査は、多くの分野での対策が有効なのか、また自らの食生活そのものが安心なのかどうかを見る、最終的な確認にあたる個人向けの検査です。同一人が継続して検査をすることで、今後の食生活に、予想外の放射性セシウムが混ざってこないことを確認できる、有効な手段と言えます。ぜひご自分の食生活の再確認をしたい方のために、活用していただくことをお勧めいたします。

Adobe Readerダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

このページに関するお問い合わせ

教育課 教育総務グループ

〒963-7796 福島県田村郡三春町字大町1-2
Tel:0247-62-6310  Fax:0247-62-6000

お問い合わせフォーム

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が十分掲載されていましたか?
ページの構成や内容、表現は分かりやすいものでしたか?
この情報をすぐに見つけることができましたか?

トップに戻る