たばこ入れ|歴民コラム 収蔵資料紹介編10|三春町歴史民俗資料館
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三春町歴史民俗資料館より、三春町の歴史や文化、ゆかりのある人物伝、資料館に収蔵されている資料などについて、コラムをお届けします。
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歴民コラム
たばこ入れ
写真は、秋季企画展「旅する人々」でご紹介している資料のひとつです。
このたばこ入れは、煙管(キセル)が使われていた時代のものなので、明治期までに使用されていたものと思われます。
棒状の部分にキセルを入れ、たばこは財布のようなかたちの部分に入れておき、帯にはさんだり、着物のたもとに入れたりして持ち運びました。
たばこ入れにはいろいろな形があり、巾着型のものもあれば、紙巻きたばこが売り出されると、箱とマッチ、ライターを入れるような形のものまで、さまざまです。
この形のものは、江戸時代から明治時代まで流行し、器用な人は、気に入った素材で自作したようです。
女性の櫛やかんざしに比べると、すぐに気付かれる華やかなものではありませんが、取り出したとき、その粋なつくりに周囲の人をうならせるような携行品を、当時の男性は好んだようです。
もちろん、矢立や財布などとともに、このような品物も旅の携行品でありました。
(2023年11月 藤井典子)